今でこそ私は「主食を変えれば、体は変わる」と伝え、お米との付き合い方をコントロールするメソッドを提唱していますが、かつては誰よりも**「お米の魔力」**に魅了され、そして翻弄されてきた一人です。
時計の針を、私が27歳の頃に戻してみます。
当時の私の体重は57kg。 身長に対してかなりスリムで、体は軽く、何を食べても、どれだけお米をかき込んでも、翌朝にはスッキリと元に戻っている……。まさに「代謝の無敵モード」の中にいました。
「お米さえあれば、何もいらない」
当時の私の食卓の主役は、いつだってお米でした。 炊き立ての白米の香りがすれば、それだけで幸せ。お茶碗に山盛りのご飯を盛り、おかずがなくても、お米の甘みだけで何杯でもいける。
「自分はいくら食べても太らない体質なんだ」 本気でそう信じていました。
しかし、30代に差し掛かったある夜。その確信は、近所のコンビニで無残にも打ち砕かれます。
ふと、入り口のガラスに映った自分の姿。 そこには、私の知っている「57kgのシュッとした青年」はいませんでした。
「え、誰このポチャッとしたおじさん……あ、自分か!!」
(モデルのおじさんはイメージな人です)
鏡に映ったのは、お米を愛しすぎた結果、パンパンに膨らんでしまった「恐ろしい姿」の自分。 現実から目を逸らし続けてきた報いが、コンビニの蛍光灯の下で残酷なまでに暴かれた瞬間でした。
ここから、私の体重は坂道を転げ落ちるように増え続け、ついに78kgに到達します。 ここから20年、私は迷宮(ラビリンス)を彷徨うことになるのです。
(つづく)
